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2017-06-16

娘たちへ「子育ては苦楽しい」

娘たちへ。

こんばんは。

タイトルの「子育ては苦楽しい」は、今は亡き心理学者の河合隼雄先生の言葉です。
私が、あなたたちと同じくらいの年齢、子育てに悩んでいた頃は、まだ、インターネットなるものはありませんでした(あったかもしれないけど、一般の人が使うようなものではありませんでした)。
だから、子育てにつまずくと、本や新聞を読んだり、どこかの相談機関に出かけたり、講演会や勉強会に出かけたりする必要があったわけです。

でも本を読んでも、誰かに相談しても、「子育てのつまずきの責任は母親であるあなたにあるよ」と責められているようで、つらくてくやしくてどのくらい泣いたことでしょう。後になって思い返せば、あれほど悩むことはなかったと思うことばかりですが。でもそのときはもういつも氷の上を歩いているようで、心が折れそうでたまらなかった気がします。

そんなときに、出かけた河合隼雄先生の講演会。タイトルも内容も忘れたけれど、先生がおっしゃった「子育ては苦楽しい」という言葉だけは鮮明に覚えています。

あくまでも私の場合はというお話ですが、当時は子育てが楽しいなんて思う気持ちの余裕はこれっぽちもありませんでした。そして子育てを楽しむことのできない自分をどのくらい責めたことでしょう。

そんなときに河合先生はおっしゃいました。

「子育てなんて楽しいことより、苦しいことの方がずっと多いよ。それでも、たまにとても楽しいことがある。だから続けられるんだ。子育ては苦楽しいものだよ」

その言葉が突っ張っていた私の心の中にストンと落ちて、涙がぼろぼろこぼれてきました。それから、少しだけど、子育てが苦しいと思う自分を認めてあげられるようになりました。

ときどき、若いママたちに、「子育て楽しんで」と言いながら、追い詰めちゃっていないかなと心配になることがあります。もちろん楽しめるのが一番だけど、そうじゃなくても自分を責めないでね。だって、子育ては苦楽しいんだから。

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