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2016-01-03

ひと図鑑 デボラ・マーシャさん

ムームーヘブンが、7月21日〜23日に、恵比寿のガーデンプレイスで行われる「アロハトーキョー2017」に出店。オーナーのデブも来日します!

 

インタビューで仲良くなってからというもの、ハワイを訪れたときは必ずデブに会いに行きます。その笑顔は、私のエネルギーの源。勇気と元気が私の心の中に流れ込んで来ます。“Smile”があれば、国も言葉も越えて、人と人は繋がることができる。デブが教えてくれました。

デボラ・マーシャさんプロフィール

IMG_1148オーストラリア出身。ハワイ・オアフ島カイルアのムームーやアロハをリメイクしたドレスやローカルアーティストの小物、作品を扱う「ムームーヘブン「(Mu’umu’u Heaven)」を経て、ヴィンテージドレスを専門とする「ハナ ホウ ヴィンテージ(Hana Hou Vintag)」オーナー。環境やハンディキャップをもつ子どもたちへの支援も積極的に行っている。

Q. オーストラリア出身のデボラさんが、なぜハワイに暮らすようになったのでしょう?

1995年に夫であるエリックに出会ったことをきっかけに、ハワイに住み始めました。最初はアラワイ運河に浮かぶヨットの中に住んでいたのよ。それは楽しく貴重な経験だったわ。エリックはニュージャージー、私はオーストラリア出身だったので、出会った頃は、お互いを行き来していたの。最終的に、そのちょうど真ん中に位置するパラダイスであるハワイに住むことを決めたの。

Q. 最初に「ムームーヘブン」を開いた理由を教えてください。

IMG_0299すべては偶然から始まりました。自分で作ったスカートをはいて町を歩いていると、いつも「そのスカート、どこで買ったの?」と聞かれていたの。だから最初は、自宅で「スカートパーティ」を開いて、友人たちに手作りのスカートを売っていたわ。そんなあるとき、カハラホテルで偶然、ハリウッド女優のエヴァ・メンデスに会ったの。そしたら、彼女が私のはいていたスカートを気に入って、「売って!」って言うじゃない!? びっくりしたけれど、その場でスカートを脱いで売っちゃった(笑)。

その直後からローカル雑誌の取材依頼で、毎日電話が鳴り止まなくなったわ。それからお店を構えるまではさほど時間はかかりませんでした。でも場所を探し始めたものの、最初はなかなか気に入った場所が見つからなかったけれど、カイルアの入り口にある歴史のある建物に空き物件、そう、この場所が見つかったわ。最初はボロボロでコンディションも悪かったけれど、「ここにムームーヘブンという私の夢を実現させるんだ!」とワクワクしながら、天国のような空間に生まれ変わらせることができたの。

Q. ビジネスウーマンであり、妻であり、お母さんであるデボラさん。何役もこなす秘訣は?

昔は、男性が外で働いて、女性は家で掃除や料理をする。役割がはっきりしていたわ。でも今は、結婚しても女性は働くでしょ。生活コストが高いからね。エリックと結婚した当初はまだ子どももいなかったので、二人で一生懸命働いて、お金を貯めて、家を買って、「ムームーヘブン」を始めて、そして息子のザックが生まれて……。

何しろとても忙しい毎日。スピードに追われているわ。我が家は、夫のエリックも私も働いているから、いつも「どちらが掃除するの?」「料理するの?」って、役割がクリアじゃないの。8歳になる息子のザックは、エネルギーがあり余っているしね。

Q. それをどうやって解決しているのかしら?

最初からきちんと計画するのは二人ともあまり好きじゃないので「朝食は僕が作るね」「今日は疲れているだろうIMG_0300から夕飯は私が作るわ」って、その場の状況に応じて臨機応変にすることにしているわ。結婚して最初の2、3年は、仕事はもちろん、女性だからという理由で、家事も私が全部やっていたのよ。でもエリックは私より料理が上手だし、日曜大工は私の方が得意なの。どうやって家事を分担するかはそのカップルによって違うことがわかってきたのね。

ときには納得できない場合もあるけれど、自分を大切に扱っていけば、家族も愛することができると思うの。自分のことを愛せなければ家族も愛せないだろうし、自分自身をケアできなければ家族のケアもできないわ。人はすべてを完璧にはこなせないもの。今日はネイルをしないでここに来ちゃったけれど、時間があるときは、いつもきれいでいたいから自分のケアをするようにしているわ。忙しくても自分のことを大切にしなくちゃね。

そして何か問題が起きたときは、私はまだまだ未熟なんだと考えるようにしているの。最も大切なことは愛する家族がいて、健康でおいしいご飯が食べられ、素晴らしい服があり、友達がいること。あとは少しの運動と出かけたあちこちで冷たいビールが飲めること(笑)。サーファーであるエリックはサーフィンをしていればハッピーだから、なんかあったら「サーフィンに行ってらっしゃい」って送り出すことにしているわ(笑)

Q. デボラさんの愛するハワイでこれから何を? すてきな夢を教えてください。

カイルアに2店舗目のショップをオープンしました。「ハナ ホウ ヴィンテージ」という名前よ。「ムームーヘブン」では古いムームーやヴィンテージをリメイクしていたけれど、古くてもはさみを入れたり、リメイクしてしまったりするには、もったいなくて心が痛むようなドレスに出合うことがあるの。「ハナ ホウ ヴィンテージ」は、そういうすてきなヴィンテージドレスを集めたお店。ハワイ語でハナ ホウは「もう一度」という意味。すてきなヴィンテージドレスをもう一度生き返らせてあげたいわ。

そしてもう一つの夢は、ハンディキャップのある子どもたちに技術を教えるトレーニングスクールを作りたいの。スクールで学んだことが、彼らの仕事、就職、そして収入に繋がるようになるといいなと思っているの。

Q. 日本で毎日を一生懸命過ごしている女性たちにメッセージをいただけますか。

IMG_0298今の私はとても幸せです。自分の思い描いたことをすべてやっているから。そして一生懸命働いています。毎日がとても忙しいし、決して楽なことばかりではないわ。そのために一生懸命がんばってもいる。ときどき涙が出てくるような大変こともあるわ。そんなときは、朝起きたときに、「何が私を幸せにしてくれるのか?」「 得意なことは何か?」 をもう一度思い返すことにしているの。

「私の夢は何? 」「私を幸せにするものは? 」「私を笑顔にできるのは?」 鏡の前に立って、自分自身に問いかけて。そしてどうぞその夢に向かって歩いて行ってくださいね。夢に向かって生きること、それが何よりも大切なの。夢を実現するには、リスクはつきもの。でも決して不可能ではないわ。ぜひあなただけのすてきなストーリーを描いてね。 そして、ハワイにいらっしゃったら、「ハナ ホウ ヴィンテージ」に来てくださいね。

デボラ・マーシャさんとお目にかかって

IMG_0118オアフ島のワイキキから車で約40分。日本人観光客の人気を集めているカイルアタウン。行列必至のパンケーキ屋さんやセレクトショップ、スーパーマーケットなどのおしゃれなお店が並びます。その一角に「ハナ ホウ ヴィンテージ」があります。古いムームーやヴィンテージをリメイクしたドレスを扱っていた「ムームーヘブン」は閉店してしまったけれど、捨てたり、はさみを入れたりするには惜しいビンテージドレスを扱う「ハナ ホウ ビンテージ」が誕生しました。そのオーナーがデボラ・マーシャさん。彼女のことを、周りの人は親しみを込めて、デブと呼びます。

インタビューの朝。「ALOHA!」の声と共に、満面の笑顔のデブが登場。「I’m Deb.」 と言うなり、お腹をポンと叩いた彼女にそれまでの緊張がいっぺんに溶けました。髪や目の色が違うとか、話す言葉が違うとか、彼女には垣根がありません。コミュニケーションに必要なのはスマイルだけ。

パートナーであるエリックと出会い、故郷であるオーストラリアを遠く離れたハワイに渡り、自分のお店を開いたデブ。洋服を愛するのと同じように、地球を、自然を、心から愛しています。新しい物ではなく、古くても価値がある物にこだわるのは、環境を大切に考えているから。

デブがエリックと初めて潜ったころのワイキキの海。それは美しかったといいます。しかし今、自然体系は乱れ、珊瑚は死にかけています。心を痛めるデブは、お店の総売上の1%を海の環境を守るために寄付しているそうです。 エリックとザック、大切な家族がいること。大好きな洋服とスタッフ(天使)に囲まれて仕事ができること。たくさんの友達に恵まれていること。デブはいつも感謝の気持ちを忘れません。その感謝から生まれた余裕は、破壊されかけたハワイの自然とハンディキャップのある子どもたちへの支援に生まれ変わります。

デブの周りは今日も笑顔がいっぱいです。笑顔には笑顔を返すことを、デブが何よりも大切にしているからです。

デブの笑顔を思い出すと、私も笑顔になって幸せな気持ちがあふれてきます。

今回は、英語ができない私にはとてもハードルの高い取材でした。それを助けてくれたのは、デブのお店で働くEmiさん、Makiさん、Akemiさん。皆さんのサポートのおかげで、すばらしい取材が実現しました。本当にありがとうございました。

*インタビューを手伝ってくれたMakiさんのステキなアクセサリーショップ「leinaia」ものぞいてみてください。

※2014年8月に、東京で働く・暮らす女性のライフスタイルコミュニティ「東京ウーマン」に寄稿した記事を再編集、転載いたしました。

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