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2015-11-09

歌の力

こんにちは。

この1年、叔母がお世話になっている有料老人ホームで月に1度、入居者(叔母も)の皆さんと歌を歌っています。どんどん人数が増えて、毎回、2、30人の方が参加。皆さんと幸せな時間を過ごしています。

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参加してくださる方は、お元気な方もいれば、認知症の方も、車椅子やベッドで寝たままの方もいらっしゃいます。状態も人によってかなり差があるので、それぞれのペースでやりたいようにが基本です。

半数以上が認知症だったり、お身体が悪かったりですが、仲のいいホーム長の「認知症だからといってできないを前提にしたくない」「人としての尊厳を守りたい」という言葉から始まった会なので、「やれない」が前提ではありません。

年齢を重ねてきたからこそ深い表現ができるのではという想いで、歌詞を大切に選んでいます。皆さんの言葉を紡いだオリジナル曲もできました。

「糸」「時代」「花」「花は咲く」「上を向いて歩こう」などなど。
初めての歌だと、「歌いたくない」とか「知らない」などとおっしゃることもありますが、10分も歌えば、みんな笑顔になります。

「歌の会」なので、教える習う関係ではなく、私も皆さんの仲間です。

私の叔母は82歳になりますが、認知症が進み、今は私のことも認識できていません。認知症のなかでも、妄想がひどく、攻撃的、悲観的になってしまうので、見ていてもつらいことが多いのですが、どんなに機嫌が悪くても、調子が悪くても、歌を歌うときだけは穏やかな表情になります。きっと彼女の脳のどこかに、歌や歌うことが刺激を与えているのでしょうか。

同じように、毎回、小さな奇跡が起きています。昨日は、ベッドで参加、目をつぶったままの方が、耳元で歌っていたら、みるみる涙があふれてきて、歌い終わったら、ぱっと目を見開いて、「ありがとう」。
私の方が「ありがとう」です。

皆さんと歌うことで、私も穏やかな気持ちをいただいています。細く長く、これからも続けていければいいなと思っています。この輪が他のホームにも紡いでいけたらと、あれこれ考え中。

今週もおだやかな毎日になりますように。

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